中谷風の瀋陽日記

 4月の三連休の最終日になる今日は、清明節にあたる。学生が帰省したガランとした宿舎に残っているのは、我々数人ばかり。朝の食事も普段より30分ばかり遅めて、7時にして貰った。朝は大体5時半に起きて、1時間ほど散歩する日課にしている。周りには工場ばかりと思いきや、メインストリートを隔てた反対側には高級高層マンションがいくつか建ち並んでいる。マンションの入り口には守衛がいて、部外者は立ち入りできないようになっている。中には管理された庭や駐車場などがあって、敷地外のやや雑然とした雰囲気とは対照的である。
 このあたりの環境は比較的きれいだと思われる。というのも、毎朝、清掃員が道路のごみの収集をしているからだ。だが、どこもかしこも、建てたり壊したりと忙しく、この国がいまだに「普請中」であるのが実感できる。
 1キロほど東方に昨年までは高架の高速道路があったそうだが、それが今完全に取り壊されている。改修なのか撤廃なのかよくわからない工事が、今着々と進められているが、日本的感覚からすると、無計画、見通しのなさなどで批判されて当然の事業だろうが、それが問題になったのか否かは全く伺い知れない。「大胆にも」としか言いようのない状態だが、ここは日本ではない。2013年の全国運動大会に向けて、市内の至る所で切ったり貼ったりと忙しい。また、行政機能の多くを南の方に移転する予定で、地下鉄の南北線も今年の10月には開通する予定である。
 予定で思い出したが、この3連休も本決まりになったのは3月だとのこと、5月の国際労働節(メーデー)の連休も何日が休みなのか誰も知らない(政府高官以外は?)。だから、予定を立てようがないのだ。日本の場合は公的機関も学校も工場も予定に従って行事や計画を組んでいるのだが、このような状態でこの国の企業などはどうするのかと他所事ながら少し心配になる。