2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

浮草の夢4

・ はっきりと記憶しているのだが、面接試験のあの日、私はライトグレーのハーフ袖のスーツに白のブラウスを着て、ハイヒールを履き、ダイヤをちりばめた細いヘアピンを髪に挿していた。西西友誼賓館(註①)を出るときに客室の鏡に向かって、自分を見積もっ…

空竹-瀋陽日記

達人=达人(daren)は恐らく日本語から輸入した言葉なのだろう。新語に分類されている。27日、弁論大会の練習が終わったときに、学生の一人が「先生は今日の達人集会に参加しますか」と聞いてきた。内容が分からないので詳しく話して貰うと、学生の中で一芸…

浮草の夢3

2 何点かの説明 その一、本文は小説ではなく、私自らが経験したことであるので、第一人称で叙述した。だが、観客の各位が“多情”な人が書いた小説だと見なしても構わない。私は観客の評価など気にしていないのだから。 その二、もし自分の主観的な感慨である…

浮草の夢ー風聞2ー瀋陽日記

この小説の翻訳を『浮草の夢』と名付けて、日常雑記の日記とは別立てにしようと思う。従って、これからは時々、1日に2本の記事を書くことになるかも知れない。ともあれ、昨日の続きを書く。 ◇ ◇ 序 1.人物関係 私:実名は常艶、1978年5月2日生まれ。民盟の…

風聞ー瀋陽日記

すでに事情通のブロガーのサイトで報告されていることなのだが、今年の1月、若い美貌の哲学者常艶と中共中央編訳局局長衣俊卿とのスキャンダルがネット上を賑わしていた。常艶自身が自分のスキャンダルを12万字にも及ぶ長文の小説で暴いたからである。しかも…

優酷-瀋陽日記

昨日、パソコンを使ってあれこれしていたら、長い間使えなくなっていたダウンロードサイト「優酷(youku)」が使えるようになった。古いバージョンをアンインストールしていたので、新しいバージョンを入れて、目的の番組などを見て、試しにダウンロードして…

春雪ー瀋陽日記

昨日、弁論大会の打ち合わせをしていた午後4時頃から、雪が降り出していた。雪が降り続く中を、188番のバスで宿舎に戻ったのだが、その日が先週の土曜日に門番の小父さん(張さん)達と約束していた飲み会だったので、きっとみんないるだろうと思って門番の…

弁論ー瀋陽日記

瀋陽市大学生高校生弁論大会を毎年開催している。今回が17回目になる。毎年盛況だったのだが、昨年頃から、日本語学習者の減少に伴って、やや熱気が衰え気味である。その原因として考えられるのは、一時の日本語ブームが影を潜め、英語熱といっていい「英語…

陽朔5ー桂林日記

(写真は同行した外国人カップル) 少数民族 桂林・陽朔の近辺には幾つかの少数民族の集落があるらしいが、どこかは全く分からない。地元の人ならきっと知っているはずなのに、僕のような外国人には漢族との見分けは付かない。しかし、世外桃源や龍脊梯田な…

陽朔4−桂林日記

遇龍橋 ”遇龍橋の下に水は緩やかに流れ、水草は糸のように細く、魚はその間を戯れ、底が見えるほど清らかで澄み切っている・・・”とパンフレットに書いてある遇龍橋は、きれいな半円を虹のように描いているとも書かれている。石造りの古橋は遇龍河に多く架かっ…

陽朔3ー桂林日記

遇龍橋から下を見ると沢山の竹製の筏が川岸に並んでいた。下に案内されて、2人一組で筏に乗り込んだ。僕らは2人連れだが、1人で来ているアメリカ人のおじさんは、ペアがいなくて1人で載っている。声を掛けると、「俺はVIP扱いだ」とか何とか言っている。…

陽朔2ー桂林日記

“桂林山水甲天下、陽朔山水甲桂林”(桂林の山水は天下一番、陽朔の山水は桂林一番)と昔から讃えられてきた陽朔の風光は、確かに評判通りだったが、余りそれを楽しんでいる時間がなかった。午後2時頃に船着き場について、約一時間の陽朔散策の後、西街のKFC…

陽朔ー桂林日記

陽朔は小さな街だった。小さな街ではあるが、「小桂林」のような風光が多くの観光客を惹きつけるらしい。飛行機の中で見た新聞でも2月24日の元宵節(旧正月から15日目の小正月)には10万人が熱狂したと報じた記事の中に「湯圓に舌鼓を打つ外国人観光客」の写…

桂林9ー桂林日記

日本人旅行客: 観光船が出航して4分の1ほどの行程を行ったときに、日本語が聞こえた。近寄ってみると、若い女性の四人連れが賑やかに話しながら、互いに記念写真を取り合っている。「島」の問題以後、JTBやトラピクスなどのパック旅行には中国観光は完全…

桂林8ー桂林日記

蝙蝠山の次に見えてきたのが、「九龍戯水」だとの説明があったのだが、まだ朝靄が濃く、はっきりとは捉えられない。九龍戯水とは、岸壁天帝からせり出している部分が竜が水に戯れている姿に見えるところから名付けられたという。龍は天帝から桂(金木犀)林…

桂林7ー桂林日記

(続き)1月5日、当該の試験サイトがサイバー攻撃に遭い、アクセスできない事態が惹起した。1月6日、羅先生は警察に「サイトがハッカーに侵入されているらしい」と事件を報告した。警察の介入調査にしたがって、3名の事件関連の容疑者が前後して逮捕され、審…

桂林6ー桂林日記

(つづき)同時に、2つの振り込み口座番号を発送してきて、成績を確認できたら指定口座にお金を振り込むように要求してきた。半信半疑の陳さんはすぐネットを調べてみると、驚いたことに、もともとたった133点だった4科目の総合点が、あろうことか、354点…

桂林5−桂林日記

桂林風光を堪能したところで、飛行機の中で目にした『桂林晩報』という夕刊紙に報じられた興味深い記事を紹介したい。 広西ニュース=試験のサイトに侵入、ハッカー成績を改竄して暴利:一人は“技術”を、二人が“業務”を担当し、発覚前に17万4千元を懐に ー1…

桂林4ー桂林日記

璃江案内 璃江は国家5A級の旅游景区(風致地区)で、桂林山水の精華である。源を桂林北方の興安県猫児山に発し、桂林、陽朔、平楽を経て梧州に至り、西江に合流する。全長437km。桂林から陽朔に至る約83kmの水程は一条の青い羅の帯のように、蜿蜒と一万も…

北塔ー瀋陽日記

昨日8日(金)は授業がない日でもあって、久しぶりに妻と外出した。瀋陽に6つの塔があることは以前にも書いたが、西塔、東塔、仏舎利塔、白塔、南塔と5つまでは回ったが、最後に北塔が残っていたので、そこに行ってみることにした。桂林から戻ってしばら…

桂林3ー桂林日記

朝8時少し前に、送迎用のワンボックスカーが迎えに来てくれた。同じホテルからは、我々の他に、中国人の男女3人連れが一緒だった。ところが、時間になっても車が動かない。仕切りと電話しているが、どうも「ギアが噛んでしまった」らしい。暫く、あれこれと…

桂林2ー桂林日記

部屋に入って、やや遅い夕食を摂りに1階のレストランに入った。 食事は、折角桂林まで来たのだから、桂林料理をという妻の提案で、桂林料理を中心に選んだ。メニューは次のようになった。 a)タロ芋と豚肉の煮物 ー桂林荔芋扣 58元 タロ芋は親芋の大型のも…

桂林ー桂林日記

2月25日、もう1週間以上前になるが、僕たち夫婦は桂林行きの南方航空機の機中にいた。約2か月前に旅行社を通して購入したチケットは総額7千元だった。ネットで取ろうとした航空会社の値段が8千元だったから、保険料込みで旅行社の飛行機代が7千元というのは…

延着ー桂林日記

ようやく飛行機に乗り込んで出発を待ったのだが、飛行機はいっこうに出発する気配が無い。それから、延々と4時間機内で待機したまま、帰ってこない息子の帰りを待ちわびるオーゼの祈りのように、飛行機が飛び立つときのあのガタピシした震えを待ち続けたので…

延着−桂林日記

桂林日記のはずが、大連日記になってしまってご心配を書けていますが、僕は無事に瀋陽についてこのブログを書いています。 飛行機が大連についてすぐに連絡しようとしても、携帯電話が繋がらない。料金不足なのか「旅行には使用できない」と言う表示が出てく…

延着ー桂林日記

桂林に3日いたが、その詳細は後にして、最終日の飛行機でとんでもないことになってしまった。実は前々日の夜から、激しい下痢に見舞われて、2日目の予定を全てキャンセルして、ホテルのベットで横になっていた僕だった。 さて、その朝、お粥を1椀啜っただけ…