中谷風の瀋陽日記

 詩経と書
 昭陵(北陵)へ行って印象に残ったことはいくつかあるのだが、まず二つを紹介する。
一つは、瀋陽故宮で書いていた「関雎」についてだ。
昭陵にのみ入りたいといったのだが、陵宮遺物珍品展覧や宦官宮女宮廷生活といった特別展示を見なければならないと強引に言われて、90元を支払って入った。
その珍品展覧の中にまさにこの表現があった。ホンタイジから関雎宮を送られたのは、皇后ではなく、宸紀であった。詩経も引用して命名の由来も記してあった。不明を恥じるのみ。
その2は街の書家のことだが、その記事も一度書いたが、消えてしまった。写真を入れようとすると、このサイトではとても時間がかかり、トラブルが起こるので、今日はここまで。
 少し補足する。「関関たる雎鳩は、河之洲に在り。窈窕たる淑女は、君子の好逑なり。」(クワン、クワンと鳴く雎鳩《みさご》は河の中州で鳴き合っている。美しくしとやかな淑女《あのこ》は、君子《この男の子》の良い連れ合いだ。)というよく知られた一句が『詩経』の中にある。写真の説明文にもその記述がある。
 「街の書家」は『世界街歩き』というBSの番組でも紹介されたらしい。水で石畳の上に書を書くのだが、大変な能筆家だ。こういう能筆家が街のあちこちにゾロゾロいるというのも、漢字の国の伝統なのかな?