中谷風の瀋陽日記



9.18
 携帯に突然見知らぬメールが入った。マンションの業者や宝石、輸入品業者からメールが入るのは度々だが、今日のそれは変わっていた。「今年の9月18日は9.18事変80周年です。安全に暮らしてこそ、危機を思い、警鐘を長く鳴らし、国を富ませ、軍を強くし、共に長城を築き、団結奮闘し、中華を振興しよう!省委宣伝部等々」日本語訳してみたら、このような呼びかけだった。このメールで、初めて今日が9月18日であることに思い至った。
 そこで、ネットを見てみると、全国各地から22件、9・18を記念する行事の映像が登録されていた。中國の中では多い方なのか否か分からないが、日本の8月初旬から15日まで、毎年決まって広島、長崎、終戦と集中的に報道されるのと趣を同じくしているようだ。何と言っても、1931年9.18は長く(15年)続く日中戦争の始まりの日であり、民族の苦難の出発点であったことは確かだろう。
 8月12日に家族を「9.18記念館」に連れて行ったとき、何故か閉鎖されて工事中だった。理由が分からなかったが。今日それが判明した。今日の記念式典で、広場に設置された「警鐘」を国や地方政府の代表者が打ち鳴らしていた。「国恥を忘れるなかれ、未来の教訓とせよ」というのはこの国の今も変わらない基本姿勢であるようだ。
 いつか、記念館の映像も載せてみたい。今日は時間がないので、またの日に。