中谷風の瀋陽日記(5)

 大学へ
 瀋陽にはいろいろな大学がある。その中でも、日本語を教えている学校がいくつかあるが、そういった大学が年に一回、日本語文化祭と銘打った催しを行っている。今年は遼寧大学の新校舎(新校区)で行われるとのことで、出かけた。
 昼の11時半には学校を出たのだが、遼寧大学に辿り着いて、その会場までついたのが、3時20分ごろだった。どうして4時間近くもかかるのか。その原因はバス路線のわかりにくさにある。(勿論、2時間ぐらいで着けるだろうと思っていたこちらの見通しの甘さもあるが。)瀋陽駅の北側に、255番のバスの発着場があると地図にあるから、人に聞いたり、心当たりを歩いたり、もしやと反対車線に行ったりして、探したものの、1時間近くわからなかった。あきらめ気分で、さらに北へ1キロぐらい行ったところに探したバス停があった。そこから1時間弱で、目的の大学に着いたのだが、大学に着いてからもかなり歩かせられた。学生に聞いても目当ての法学院というのを知っている学生がいなかった。かれっらはいったい何学部の学生なのだと腹を立てながら、何人か目で、やっと教えてもらえた。
 会場までつくのにエネルギーの7割方は使い切った、燃費の悪い中古の中型車という気分で会場に入った。学生の発表を5つばかり見て、大急ぎで帰ってきた。というのも、6時からこちらの学生との約束があったからだ。急ぐ身には、タクシーはありがたい。
しかし、敵は足元をよく見ている。まっすぐ行くと渋滞に巻き込まれるから迂回路を取るけどいいかと言ってきた(ように聞こえた)。黙っていると、承諾だと思ったのか、う回路をかなりのスピードで走った。途中、市の中心街で渋滞に巻き込まれたが、約束の20分前には学校にたどり着けた。間に合った。しかし、値段は高かった。92元だった。たかー!とは思ったが、考えてみれば日本円にして1200円ほどだ。こちらの貨幣価値だと。5、6千円払ったような感じだ。でも、まっ、いいか。市の北の端から南の端まで来たんだから。