中谷風の瀋陽日記(5月)

 議論
15.恋愛の自由、特に自由は権利だという意見には賛成する。しかし、いくら自由だからと言って、他の人に迷惑をかけない方が良い。その意味では、高校で自由を認めると学校の規律全体がおかしくなる。また、雰囲気を乱すことにもなる。大学生ならば求めてもいい。(理系女子)
16。恋愛の自由を認めるべきか否か。そういう事態になった時の自分が、私は今わからない。しかし、恋愛は普通、美しくて暖かく、一生の思いで、宝物となると思う。だから、認めるべきだ。(文系女子

 このあたりでっ時間切れになった。後半からは議論としてかみ合い始めた。途中で1回、揺さぶりを入れたが、後半は学生の力で、展開していた。発言力、説得力ともに、なかなかのものだった。議論は決して建前論で終始したりはしなかった。日本の高校生が、これほど真剣に“議論”することはもう絶えて久しいような気がする。
 ちなみに、中国で結婚が許されるのは、男性が22歳、女性が20歳からだそうだ。また、中国では恋愛よりも見合いでの結婚がまだ多いということだった。議論していた学生はすべて、18歳を過ぎ、成人を迎えている。結婚適齢期ではないが。同じ内容で行った隣のクラスの議論では、認めない派が圧倒的に多かった。その原因は何なのかはまだ分からない。