中谷風の瀋陽日記

 語録2
 ある人と話をしていて、中国の将来像に話が及んだ。その人は「ソフト面で中国が先進国に追いつくのにはあと50年はかかる」といった。GDP世界第2位になったが、国民の所得水準・消費生活といった面でも、あと20年もしないうちに日本に追いつくのではないかという私の発言に対する答えとして発言された。「形のあるものは見よう見まねでもすぐ真似ることができる」しかし「形のないもの、例えば公衆モラルなどは変えるのに時間がかかる。ごみをポイ捨てする親の子はそれをしても悪いことだと感じない。この面で変わるのには何世代もが必要だ。」という説であった。自国を愛するが故に厳しい裁定を下しているように見えた。
 後日この論について考えていて、ソフト面でキイーを握っているのは実は教育だったことに思い至った。あの人は、教育の機能も勿論考慮した上での結論だったのか、それとも、教育にはそれほど期待をしていない言説だったのか。この議論の結論は30年後ぐらいにしか証明されない。私は勿論見ることはできない。覚えている人がいたら、あの世に向かって報告してください。30年後(!?)