バイトー瀋陽日記

 妻が日本から持ってきた新聞に「家庭教師 時給1万2千円ー瀋陽」という記事が載っていた。朝日の西村大輔という特派員の記事だが、この記者は教育問題に強く、以前にも教育界に蔓延する贈答や賄賂に関する記事を書いていた。日頃から耳にすることだが、こうして纏まった記事になるとそれほどひどいのかと疑う衝迫力はある。
 「ー前略ー目立つのが学校教員を家庭教師として招くケース。瀋陽などでは一般の教員で時給300元(1元=約12円)前後、有名校の経験豊富な教員なら600〜千元もする。教員の月給は3千〜5千元で、家庭教師のバイトは割が良い。学校の授業よりも指導に熱がこもる。ー後略ー」
 こちらに来てすぐの頃、この手の話は学生から聞いていたが、この学校では「アルバイト禁止だから、そんな先生はいない」とのことだった。ひどい学校では「授業は自習ばかりで、授業で、大事な場所を知りたかったら私の塾に来なさいと平気で言う教師もいる」と彼女は嘆いていた。うちの学校にはそんな先生はいないですけどと付け加えていたが、月給4千元でトヨタBMWの外車は買えないだろうしなと引っかかっている。まあ、夫婦共稼ぎの所がほとんどだから、給料は倍額と考えておいた方が良いか?それでも気になる。西村の記事では「休暇中が稼ぎ時」なのだそうだが、確かに休暇中ともなれば、学校の目は届かなくなるが、この学校の高学年の休暇は僅か1,2週なのだ。少なくとも3年生の担任団になったら、バイトは全く不可能だろうな。
 いずれにしても、日本ではありえないことだが。