会うー日本日記

 帰国して是非したいことの一つに、神戸での教え子に会うことがある。山東省の出身の二人は、来日3年目で、念願の国立大学に合格し、今は晴れて、花の大学生活を送っている。二人は高校の同窓で、親が認め、将来を誓った仲でもある。
 その二人から、是非、山東省の故郷にきてくれと言われ、この夏に夫婦でお世話になることにした。山東省は日本にも近く、農水産物の輸出入などで日本と緊密に結びついていたのだが、近頃は少し風向きが変わったとも言われている。留学生も、アメリカ留学が増える一方、日本留学は減少気味である。二人は震災1年前に日本に留学したので、まだ、日本留学には勢いがあった頃だ。震災後の中国の「日本留学離れ」が、気になるところである。
 二人は神戸在住の頃から、アルバイトに励み、文科省奨学金などを会わせて、慎ましやかに生活してきた。そんな中でも、美事に合格を果たしたのだから、二人の精神力には感心させられた。
 大学生らしくなった二人に会うと、その姿を見ているだけで、私には満ち足りたものが感じられた。
 ともあれ、この夏の終わりに、彼らの帰国に会わせて、山東省のあちこちを旅してみようと思う。勿論、二人やその家族が案内をしてくれるのだが。いずれはその便りも書き留めていきたい。