畏友ー日本日記

 畏友というのは、多分に外交辞令的な響きがあるのだが、この夫婦は文字通り、畏友と言うべき人びとである。
 今回の帰国の中でも最も楽しみにしていたことの一つが、このKさん宅の訪問である。Kさん宅は鳴門教育大学の近くのログハウスなのだが、何と、そのログハウスは夫婦二人でセルフビルドしたものだ。
 その長い建設の記録は夫婦のブログに詳しく紹介されているのだが、60才を過ぎてから、夫婦でログハウスを建設しようと決意し、夫婦ともに、建設機械(ユンボなど)の運転免許を取り、建設のための研修を共にうけ、ついには完成させた二人の意志力、エネルギーには敬服させられている。実はそういう意味での畏友なのだが、さらに、畏るべき人・友と言うには、また、他に異なる意味合いもある。
 私が同僚であった工業高校の教師を中途退職したあと、彼らは、香川県ハンセン氏病の療養所に勤めていた。夫婦の大学時代からの宿願でもあったのだ。彼らの生き方が、私に、宿願を持って生きる生き方に目を開かせてくれたと言う意味でも、畏るべき友である。