桂林4ー桂林日記

 璃江案内
 璃江は国家5A級の旅游景区(風致地区)で、桂林山水の精華である。源を桂林北方の興安県猫児山に発し、桂林、陽朔、平楽を経て梧州に至り、西江に合流する。全長437km。桂林から陽朔に至る約83kmの水程は一条の青い羅の帯のように、蜿蜒と一万もの奇峰の間を流れる。沿岸の風光は艶めかしく優しく、碧水はうねり旋回し、奇峰は水面に影を映し、深譚、山泉、飛瀑は参差として斉しからず、一幅の絢爛多彩な絵巻を構成するようで、人は“百里璃江、百里画廊”と称する。古今中外の文人墨客が璃江の綺麗な風光を写して人口に膾炙する優美な詩文を幾篇書いたかその数を知らない。唐代の大詩人韓愈は“江作青羅帯、山如碧玉簪”(璃江は青い羅の帯を作り、山は碧玉の簪の如し)という詩句によって、この詩のごとく画のごとき璃江をを賛美したのである。
 この短文は観光船の中に置いてあったパンフレットの案内文である。
 「どこを取っても一幅の絵である」というのは僕の実感だったが、古来多くの文人がそう慨嘆していたのだ。
 船は間もなく昼になる。2階の客席の一角にビュフェコーナーが用意されて、一皿に好みの料理やご飯を盛って、思い思いの席で、昼食になった。料理はやはり油濃いが、まあまあの味である。同席した夫婦は黒竜江省の出身だが、今は深玔に住んでいると言っていた。三〇代後半のようだが、子どもは連れていなかった。この夫婦は普通に食べていたが、畏るべきは、後ろの席の4人連れで、乗船してからずっと食べ続けて、飽くことを知らない。食事が終わったのは乗船して三時間後くらいだった。これもリッチさの表象なのだろうか。