朝陽2-瀋陽日記

 2日目は「遼寧朝陽鳥化石国家地質公園」という長ったらしい名前の公園なのだが、これほどの規模で、きちんと発掘品が整理展示されているのには驚いた。鳥化石公園と称しているから、鳥の化石なのかと思っていたのが浅はかだった。恐竜と鳥類を繋ぐミッシングリンクの役割を果たす数多くの羽毛恐竜の化石がこの場所で発見されていたと言うことを迂闊にも宿舎に帰って1年前の新聞記事を読んでやっと気付いた次第だ。ここにその記事を紹介したい。もちろん、教材になるかも知れないと思って保存していたものだ。
 《<化石>全長9メートルの羽毛恐竜 中国・遼寧省
  中国・遼寧省白亜紀前期(約1億2000万年前)の地層から、羽毛に覆われた新種の恐竜の化石を、中国科学院のチームが発見、5日付の英科学誌ネイチャーに発表した。全長は9メートルと推定され、これまで見つかった羽毛恐竜で最大。大型恐竜も羽毛を持つことが初めて明らかになり、恐竜の新たな生態解明につながりそうだ。化石は3体。このうち最も大きかったのが全長9メートル、体重1.4トンと推定された。残りの2体は成長の途中だったとみられる。
 鼻にトサカのような突起があり、化石の尾や首、上腕部に羽毛があった。羽毛は単純な繊維状で、長いものは15センチ以上あったらしい。チームは体の特徴から大型肉食恐竜ティラノサウルスの仲間に分類される新種と分析。「美しい羽毛を持つ王」という意味の「ユウティラヌス・フアリ」と名付けた。
  これまで見つかった羽毛恐竜は、最も大きいものでも全長2メートル程度だった。白亜紀前期に中国にいたティラノサウルス類に羽毛が確認されているが、全長は1.8メートルだった。
 体が大きいほど体温は下がりにくく、断熱効果がある羽毛を持つと体温調節が難しくなるので、大型恐竜は羽毛を持たない可能性が指摘されていた。真鍋真国立科学博物館研究主幹は「体の大きさに関係なく羽毛を持つ恐竜が広く繁栄していたことが分かった」と話す。【永山悦子】(毎日新聞)