中谷風の瀋陽日記・以前12

 福島原発事故がレベル6であるという報道に唯々驚くばかりだ。チェルノヴィリとスリーマイル島のちょうど中間であるという。やはり、日本人総体の力量が問われる正念場であろう。政治の無策をあげつらう言説が多いが、必要なのは、今の効果的な情報と対策だと思う。昨日、多くのメールに本ブログのことを告知した。皆さんの批判を請う。

 春蘭とマムシと“満州”(6)

 檜の枝打ちはフォンの好きな山仕事の一つだった。枝打ちをした檜の肌に触りながら、父は「三十年もたって、この檜がでかなったら、フォンの家の柱にしたらいい。檜の白木の柱は贅沢なもんやが。」と常常言っていた。その言葉の度に、まだ見ぬ自分の家の化粧柱に白木の檜が使われている姿を漠然と思い浮かべていた。
 つい先日、次郎左の次男が東京で家を新築したのだが、その檜の材木をすべて自分の山から出したと言うことが評判になっていたのだ。