中谷風の瀋陽日記(5月)

  渾河左岸
 渾河左岸は瀋陽でも高級住宅街になろうとしている。というのも、河縁には緑地帯が広がり、河と緑の眺望が呼び物になっているからだ。
 宿舎から自転車で30分弱で河畔に着いた。思ったよりは近かったが、慣れないからか、足が攣ったりしてなかなかスムーズにはいけない。ましてや、交差点の自由な左折・右折をかいくぐって渡ってくるのは、結構神経の疲れることだ。まだこれには慣れない。
 河畔に着いてまず探したのは釣り人(太公望)、川上に向かって自転車を走らせたが、ポツリポツリと結構いるようだ。どれも、長い竿に大きなリール太い糸の釣り具で、一目で投げ竿だとわかる。しかも、竿先に鈴をつけた仕掛けが、2メーター置きに10本ほど並んで砲列を敷いている。この10本ほどが1人の所有物らしい。幾つめかの砲列の所有者に声を掛けて、道具類を見せてもらった。ハリスは日本の6号ほどか伯父さんは0.6mmと言っていたように思う。
 狙う魚はまず草魚、そして、リーユイ(鱧魚)(ライギョのことらしい)、他に2、3種類を言ってくれたがよくわからなかった。釣り具は市政府の西側に釣具屋さんがあるらしいが全く土地勘がない。道具の1本1セットで100元はするらしい。勿論ピンキリではあるが。
 北上の途中には、笛の練習組や、野草採りのおばさんや、太極拳の独習を続けるお爺さんなどに出会った。(写真は後日)