中谷風の瀋陽日記

 端午
 端午の節句は日本では完全に新暦の5月5日「こどもの日」として定着しているが、中国では相変わらず旧暦が有力である。今年は6月6日に当たるので、この学校も土、日、月の3連休になった。その前の金曜日(6月2日)には“粽香端午,幸福沈阳”と題する、外国人を招待するパーティが開かれた。日本人として招かれたのは、限られた人だったのか、日本語教師として見知っている人に会えなかった。むしろ、欧米人の数の多さにびっくりさせられた。中国の現状を如実に示しているような感じがした。例えば、日本企業の中国(とりわけ瀋陽)の近代化への貢献(投資)は決して少なくないはずなのだが、今や、それを追い越す勢いが、欧米諸国にある。瀋陽もまた例外ではない。
 舞台では、伝統楽器の演奏グループの演奏を皮切りに、歌や、書の実演、粽の実作、漢詩の穴埋めクイズなどを次々と進行させて、客を飽きさせないような工夫をしている。しかし、料理は、どうして、点心(おやつ)程度のものしか出ないのか。メインディシュに備えていたお腹が、空腹で抗議しそうになった。すると、“粽(ちまき)”が1個ずつ配給された。あとは何もない。確かに粽は香ったが、私のお腹は決して幸福ではなかった。その代りか、茶器の7点セットが全員に配られた。帰って、お茶でお腹を満たせていうことか?(まさか。)