中谷風の瀋陽日記

 撫順
 6月19日(日)、学生の案内で日本人教師の多くが撫順を訪問した。
以下がミズさんが企画した「旅程案内」である。
1.日時 6月19日 7時:宿舎出発、8時:瀋陽駅前の撫順行き雷鋒号乗り場で学生と待ち合わせ。
2.往復交通機関 バス。瀋陽駅前バスターミナル。高速バス「雷鋒号」(撫順行)約1時間半、3路線あり、10分毎に出る。11元。
3.見学場所・・・次の順序で、公共バス利用(1元)。
 ①「撫順戦犯管理所」入場料50元
  撫順南駅より9路・603路バスで20分、「寧遠街」か「戦犯管理所」で下車。タクシーでも10元程度。
  =日本軍が抗日中国人らを拘禁した監獄を、解放後、溥儀や日本人戦犯など、満州国に関わった戦犯、国民党の 戦犯など1,300人余りを収監し、思想教育を行った。日本人戦犯に対する周恩来などの「人道的」な扱いが、特に印象に残った。=
 ②「平頂山惨案遺跡記念館」入場料無料(身分証などの提示が必要)
  撫順南駅より6路・502路バスで15分、「平山街」か「平山記念館」下車。タクシーで15元程度。
  =撫順炭鉱が抗日軍に襲撃された報復と見せしめのため、日本軍が1932年9月16日、この村の全村3000人余を虐  殺した。この際、日本軍は罪を隠蔽する為にガソリンを用いて死体を焼き、山を崩して死体を埋めたという。
  1970年代に生存者の証言をもとに発掘された。「記念館」と「遺跡」の2館に分かれる。「遺跡」には発掘された 遺骨がそのまま展示されている。(撮影禁止)発掘時の様子は本田勝一『中国の旅』に詳しい。日本人として必見。
 ③「西露天参観台」15元。撫順南駅からタクシーで約20分
 =世界屈指を誇る炭鉱。東西6.6㎞、南北2㎞、深さ300mに達する。西露天鉱は稀に見る厚い単層で、新生代第三紀 にできたものと推測される。石炭のほか、黒玉(煤精)や琥珀などを産することで有名。展望台でなく「炭鉱」だけ を見るのなら、6路バスで「平頂山遺跡」に向かう途中に見ることができる。「平山街」の手前のバス停でで下車す る。当日は、「遺跡記念館」からの帰り、バス道を徒歩で戻り、バス停の所の土手を50mほど下って炭鉱用線路の最 上部に出て、そこからの眺望を見た。生憎逆光で最下部は見えなかったが、煙か薄靄がかかった全体が眺望できた。 =
 
 こちらにしては珍しいとても暑い日で、気温が30度を超え、珍しく湿度も高かった。とても疲れた。精神的にも。昼は撫順南駅のビルの6階の食堂街で摂った。韓式冷麺がおいしかった。また、博学の学生が「入声」(古語の第四声)を知っているのに驚かされた。