中谷風の瀋陽日記

 幻の旅
 この8月に2つの旅を計画していたが、2つとも没になった。一つはチベットへの旅だ。8月中旬から1週間ほど行きは列車で崑崙峠、タンラ峠の5000メーターを越えてラサに入るのだから、高山病に対する予防を考えておこうとか、計画段階では大いに盛り上がっていた。チベットへ飛行機で行ったことがある人の経験談などを聞いたりして、皆、結構乗り気だったのだが、7月一杯は外国人旅行者のチベット入境は認められなくて、それが8月まで伸びるかもしれないとの予想やなにやかやで、結局中止のやむなきに至った。その結論が出て、私の一時帰国の日程を決めた頃に、今度は別ルートでは可能かもしれないと、今、再検討に入っている。だが、私にとっては、チベット行は幻の旅となってしまった。残りの方々は、代案の満州里になるかチベットか、いずれにしても下旬まで旅の予定のようだ。
 もう1つは、留学生のシュン君たちが企画してくれた山東省の旅だ。煙台、威海という日中間では縁の深い所がたまたま二人の故郷だったので、ムロの一時帰国に合わせて、招待してくれていたのだ。しかし、ムロの夏休みも1週間だけとのこと、日程的に無理なのでこれもあきらめざるを得なかった。これは、来年、二人が合格した時の楽しみに取って置きたい。
 こういう次第で、この夏は、日本への一時帰国だけになった。お蔭で(?)日本滞在が2週間になった。少しのんびりできるかもしれないし、あちこちへの義理も果たせるかなと計画に、今余念がない。でも、家の庭の水まきや、柿の木の枝払いなどが待っているのだ。その他もろもろの雑事とともに。とほほほ!