中谷風の瀋陽日記

 満州
 私が行けない旅の話。私以外のほとんどの人とヒラさんの家族とが合流して、満州里に行くことに決まったそうだ。例のチベット旅行が、結局ダメになった代案だそうだが。
 瀋陽から満州里まで(恐らくハルビン経由)列車で21時間、往復の車中泊と現地3泊の計5泊6日の旅で、1人頭、3500元程度だという。中国人のツアーに入るのなら、もっと安くて済むのだが、日本語ができる現地ガイドの費用や、団体を載せて移動する、バス型タクシーの借り上げ料と運転手の日当、宿泊費等を入れるとそれくらいの金額になるのだという。ハクさんも、家族旅行で満州里を検討していたが、21時間の列車はやはりしんどいと言う訳で、上海旅行になったらしい。
 さて、満州里はノモンハンに近いとか、そこも今回のコースに入れる予定だと聞いた。考えてみれば、この地に来てからの遠出の旅行はすべて、戦争と近代史に関連がある。「日本人にとっては、やっぱり逃れられない呪縛なのかな?」と、参加者の一人が、行く前から呟いていた。
 私はと言えば、その頃は、家で木の枝を切るのに忙しいか、ゴルフ場で、打ち損ねたボールを探すのに忙しいか、きっとそんなところだろうな。