中谷風の瀋陽日記

 語録
 40年前、この地でも「毛主席語録」が打ち振られていたに違いない。骨董市などに行くと毛語録が大量に並べられている。知人があの時代の記念に買い求めたが、結構な値段がしていた。1冊なら20元、3冊で50元と言っていた記憶がある。あの頃の言葉の群れは今どこに行っているのだろうか。どのあたりを彷徨っているのだろうか。
 改革開放から30年。あの時代から見ると「走資派」の真っ只中に今の中国はある。現在の歴史も、また30年後には厳しい篩に掛けられるのだろうか。
 センチメンタルな書き出しをしたのは、これまで色々な語録を耳にしてきたからだ。
 党幹部の腐敗について。毛沢東の時代は賄賂、汚職は銃殺刑だった。どれだけの功績者でも許さなかった。しかし、今は、そこまで厳しくない。革命後60年が過ぎた。この国は全ての王朝で、成立当初の100年は清潔で順調に、そしてそれ以降は汚職と腐敗にまみれ、我慢しきれなくなった民衆の蜂起によって打倒されてきた。あと40年は大丈夫かも知れないが、民衆が我慢しきれなくなった時は、今の体制も打倒されてしまうだろう。
 日本にいた時にもこういう話は聞いたことがある。しかし、余り書きすぎるのも良くないかも。