中谷風の瀋陽日記

 小 話
 小耳にはさんだ話を二つ。
 「国民党と共産党が戦っていた時、共産党が優勢ではなかった。だが、そんな時、共産党員の1人が1名の主席を選出しようと提案した。しかし、ある人が反対して言った。『どんな、そそっかしい(=毛)主席を選ぼうと言うんだい』と。」註:毛=姓の他に、そそっかしい、おおざっぱなの意もある。
 「訒小苹がロシアのある指導者と会見した時のこと。禿頭のその指導者は訒小平を皮肉って言った。『あなたは中国の偉大な(背の高い)人だ。』と。すかさず、訒小平は相手を“尊敬して”言った。『あなたはロシアの灯台だ』と。」註:偉大の偉には背が高く身体の大きいという意味がある。ご存じのように訒小平は小柄。だか、すかさず丁寧に反撃した所にいかにも彼らしい「負けず嫌い」の面が出ている。そこが、庶民に愛される小話として流布する原因かもしれない。
 ここまで書いて、思い出した。「2024年のロシア大統領は髪フサフサの人」という珍説。その説によると、レーニンスターリンフルシチョフ・ブレジネフ・ゴルバチョフエリツィンプーチン・メドベージェフと歴代指導者を並べてみると、禿頭の人と有髪の人を繰り返してきた。今度の大統領はプーチンが2期12年するのは確実なので、その次は髪が豊かな人になる予定(?)である。
 これも、小話のネタにはもってこいの話だ。