中谷風の瀋陽日記

 小話2
 小話の続きを。(学生寮は男子の階と女子の階が分かれていて、直接は行き来できない。)
 「昨夜のこと、男子の階の舎監がペイさんだった。ペイさんの綽名は『犬』だが、その日は中学3年の女子寮が就寝時間を過ぎても煩かった。怒りを抑えられないぺイさんは、遠い女子寮に向かって大声で叱った。しかし、男子寮の中で声が響き渡るだけで、『ワウ、ワウ』と叫んでいるように聞こえた。皆期せずして言った。『犬が吠えている。』と。今日の全校体操の時、処分が発表されると思ったが、何故か。今日はなかった。処分はもっと前の時のことだった。我々はどんな処分が出るのか、恐れながら、待っている。」
 これは内輪ネタで、関係者にしか面白味が分からない。ペイさんの風体や人柄を知っていればこそ分かる話だ。