中谷風の瀋陽日記

 笈川幸司
 ”カリスマ日本語教師笈川幸司の講演を聞いた。2時間たっぷり、500人弱の学生を前に熱演するのは、掛け値なし大したものだ。何と舞台慣れしている人だろうと思って、あとでネットで調べてみたら、日大卒業後、衆議院議員公設秘書、漫才師、5年で芸能界に見切りをつけて、元妻の故郷北京で2002年から日本語教師になり、清華大、北京大、清華大と名門大学で日本語を教え、教え子をことごとくスピーチコンテストで優勝させてきた。云々とあった。音声指導に自信があり、特に独自に開発した、音声楽譜でユニークな指導を行っているとも書いてあった。
 今全国各地のおよそ500の大学などで講演をする「講演マラソン」の一環で瀋陽にまで来た。
 ともかく、流暢な中国語に感心した。彼が中国に来たのが2002年だから、この約10年であれだけの中国語が話せるようになったというのも、大したものだ。彼の言っていた。短文暗記、7人に使用して磨くという会話上達法を中国語でやったのだろうか。先日の総領事の中国語に負けず劣らずの流暢さだと学生が言っていた。
 場を盛り上げる掴みの上手さは、さすが元芸人だけある。
 『一番日本語』という中国で出版されている日本語学習雑誌では彼の記事がよくあるそうで、学生の中にもかなりよく知っている者がいた。知らないのは、私だけか?