村上文学ー瀋陽日記

 村上文学
 学生との「1Q84」の読書会のことを前に書いたが、今日何気なく職員室の本棚を見ていたら、「やがて哀しき外国語」というエッセイ集を見つけた。日本にいた時も読んだことがあるなぁと思いながらも読み耽っている。そういえばDVD「ノルウェイの森」も先日鑑賞した。そのロケ地のことで思い至った。確か兵庫県の砥峰高原で数年前やっているという話を聞いた覚えがある。そう思ってみると、見覚えのある風景が何回も出てきた。夏のすすきの原、雪に埋まった冬の高原盆地など、原作の設定では京都の芦生峠や芹生をイメージさせられたのだが、映画の方が上手く原作をイメージ化しているように思えた。
 そして、「ノルウェイの森」は他でもない、あの全共闘世代を描いていたのだったと思い至った。効果音として出てくる「安保粉砕!」「沖縄奪還!」も監督が律儀に当時の状況をきちんと設定しようとしているメッセージとして受け取れた。
 団塊の世代としては、妙に胸の詰まる映画であった。監督が日本人ではないところが、また、この映画の面白さなのか。それとも、村上春樹が世界的な小説家になっているからだろうか。彼は中国でもかなり人気がある。