滑るー瀋陽日記

 朝6時前に起きて例のごとく体操に行こうとして外に出ると粉雪が降っていた。地面にも薄っすらと2センチほど積もっている。いつも通り構内を散歩して、トラックを回っている時、バレーボールコートのあたりで足を滑らせて転倒した。それまでは注意をしていたのだが、その近辺で少し気を緩めた瞬間だった。見事な足払いを食ったように仰向けに転倒した。腰、背骨、後頭部を同時に打った。受け身を取る暇もなかった。一瞬息が詰まった。眼鏡を探した。どこだ!雪をかき分けていると雪の下は氷だった。滑らかな凹凸のない氷。滑るはずだ。眼鏡は?額の上に乗っていた。宿舎に引き返して、違和感のあるところに湿布した。軽い鞭打ちの様に首と背骨に違和感と軽い痛みがある。朝食後は予定を変更して、ひたすらベットで休息した。
 少し微睡んでいると領事館から電話があった。日本の某新聞社が「日中友好に貢献する学校」として紹介したいと取材の申し込みがあるが、そちらはどうかという打診であった。悪い話ではなかった。責任者につないでくれと言って電話を切った。
 夕方になってもまだ違和感が引かないが、朝よりは軽くなっている。
 ゴム靴だからって、過信は禁物だ。注意注意!!