映画ー瀋陽日記

 家人が送ってくれたDVDの中に「RAILWAYS」が混じっていた。中井貴一が主演の映画だが、吟醸酒とか10年物のワインと言った味わいの作品だった。重役昇任を前にして会社のためにリストラを断行していた主人公(中井)が工場長の親友(遠藤憲一)の事故死や故郷に一人残した母親の看病を契機に、子供の頃の夢だった「バタ電」の運転手に転職していく物語だ。丁度、49歳。定年まであと10年ほどになった頃というのは、自分の人生を振り返る時でもある。
 見ながら、僕が日本語教師を目指したのも、丁度40歳半ばのころだったのを思い出していた。
島根の一畑電鉄を描いた場面は53系などの実写が中心で、映像も細かなところに神経が行き届いていたように思う。だから、さらっとした味なのだが、ほろ苦い後口が残っている。
 おふくろの作った胡瓜を噛む場面は個人的にも胸に迫ってくるものがあった。