203高地ー瀋陽日記

 NHKのドラマ『坂の上の雲』の「203高地」のDVDをやっと見ることができた。東鶏冠山から攻撃目標を203高地に変えて、決戦の後ようやく203高地の占領と旅順港砲撃を可能とすることができた場面だった。日本では12月の中旬の放送だが、私の手元にDVDが入ったのは暮れも押し迫った時だった。
 12月31日から1月2日までその旅順に旅行した。真っ先に行ったのが東鶏冠山であった。入り口でガイドが入場券を買って、車でロシア要塞の跡まで行ったのだが、実際に要塞に入ってみて、その堅牢さとトリッキーなつくりとに驚かされた。山頂のトーチカの銃眼は山の下に向けられてはいずに、なんと山頂の方向に向かって穿たれていた。ガイドの説明によると、深い塹壕のようになったこの山頂の要塞まで日本兵がたどりついても、馬蹄形をしたこのトーチカを飛び越えてさらに奥地に向かおうとした時、背中から狙い撃ちされたのである。
 しかも、ロシア軍地はすべて地下壕でつながっており、地上に激しい銃撃が加えられてもほとんどその影響がないような要塞と化していた。
 これでは、乃木の第3軍があれほどの苦戦を強いられたのも無理はないと思った。            
 写真(右から2番)の右側から山を越えてきた日本兵塹壕に飛び降りて左側の斜面を登ろうとすると、後ろの銃口(真ん中)から狙い打たれる。ロシア軍の宿舎は次の写真(左1,2)のようなコンクリートの要塞の中にあった。下の通路への入口(右1)は階段になっていて、実際は上から見えなかったはずだが、今は上の覆いを取り除いて見やすくしている。
階段を上った先が右2の写真の右側トーチカと銃口に通路でつながっている。