旅順3ー瀋陽日記

 大連・旅順観光は対象(客)によって全く違うらしい。つまり、中国人か日本人かロシア人かによって、コースはがらりと違うそうだ。中国人は203高地や水師営などには全く興味がない。それよりも蛇島観光などが喜ばれる。中国人は蛇や龍がとても好きだからだそうだ。またロシア人には別の観光コースがある。例えば、大連の一角にある1945年8月の大連解放記念像(?)などがそれだろう。日本人にとっては忘れがたい、敗戦と引き揚げの日々はロシア軍と中国人民の勝利の時だったのだから。当然といえば当然のことながら、そう言われるまで気づかないところを見ると、私も骨の髄まで日本的な歴史観に浸されているのだと言える。
 さて、旅順から大連への帰途、大連医科大学や大連外国語学院などが集中している一角を通った。ガイド氏は「母校だ」と言った。大連の繁華街から随分離れたところにあり、勉強にはもってこいの場所だろうなと実感した。だからここの卒業生は優秀なのか。まさかそんなことはあるまいが。日本の学生だったら息が詰まってしまうだろうな。
 妻は、もし次に勤めるなら大連にしてほしいと言っていたが、私も学生と同様に息が詰まってしまわないか心許ない。だってどこにも息抜きに行けないだろう。