誘拐ー瀋陽日記

 赤ちゃんの誘拐が組織的に行われていたという報道が、昨年の12月中旬にあったらしい。映画『暖春』の話をしていたら、妻が教えてくれた。早速調べてみたら、恐ろしいような報道がなされていた。
 「 赤ちゃん誘拐で巨大ネットワーク=2年半で1万8500人救出−中国
 【北京時事】中国公安省はこのほど、四川、福建など10省・自治区にまたがる子供誘拐事件を摘発し、178人を救出、容疑者608人を拘束した。公安省の捜査により、巨大な赤ちゃん売買ネットワークの存在が判明。2009年4月の誘拐摘発キャンペーン開始以降、約1万8500人が救出されたというが、誘拐された子供はその数倍以上になるとみられる。
 「1997年、遊んでいる際、2歳の息子が20歳くらいの女に誘拐された」。山東省の親は、3億人が利用するミニブログ「微博」に、誘拐された男児の写真と自分の携帯電話番号を掲載した。微博には失跡した子供の手掛かりを求める書き込みであふれる。
 中国では子供や女性の誘拐は深刻な問題だ。178人を保護した今回の捜査の端緒は、四川省で今年5月、3人の乳児を乗せた不審な車が発見されたことだ。誘拐されて福建省に売り飛ばされるところだった。(2011/12/12-16:21)」
 以上が記事の丸ごと転載だ。『暖春』の中でも、主人公の少女小花が奉公か身売りか分からない仲買人に会う場面があった。そういえば、とても古い話なのだが、「童養媳(ドンヤンシー)」という旧弊な習慣があって、女の子を小間使い兼息子の嫁として買う風習があった。勿論、清末から民初にかけての話だが、魯迅も母親が決めてそういう女性との結婚を余儀なくされた。彼は、母とその女性の亡くなるまで、許広平女士と正式に結婚しなかった。
 そんな風習がまた復活してきているのだろうか。