開拓団ー日本日記

 「開拓者たち」というテレビドラマのビデオを見た。丁度、先日、NHKBSプレミアムで最終回をしていたが、見たのは第一回の「満州の花嫁」として主人公たちが満州の「千振」に渡る所だった。宮城県出身の主人公の村は明日食べる食料にも事欠くような極貧の生活だった。満州に行くのは丁度、女の子が女郎屋に売られたり七歳ぐらいの子が奉公に出されたりしていた時代であり、口減らしのためだった。前半はそういう日本の貧農の生活がリアルに描かれていた。夫は無愛想な男だったが、開墾や農業に意欲的に取り組んでいた。その満州開拓地の地味は肥えていた。それは、寸前まで中国人が自分の土地として耕していたところだからだ。このドラマはそういう中国人の視点をも割ときちんと描こうとしている。小作人頭の王さんの息子春岐の視点から開拓団の日常を描こうとしている。
 さて、花嫁が行ったからには、その次には子どもたちが続々と生まれる。主人公は助産婦としてそんな女たちの出産を手伝う。ドラマには実際にその地に開拓団として渡った人たちのインタビューとともに写真も掲載された。それを見ながら、ああ、こういう父母の元で、「中国残留孤児」の方々は生まれ育っていたのだと実感できた。
 生憎、真ん中の数回が抜けていて、初回と最終回しか収録していないのだが、次は最終回をしっかり見ようと思う。