開拓団2ー日本日記

 「開拓者たち」の最終回を見た。主人公ハツを含めた千振の開拓団の人々が、新たな入植地である那須高原に着いたところから始まっていた。ハツの夫はシベリア抑留中に亡くなったらしい。開拓団の人々は、荒れ地に等しい土地を開拓しながら、色々な作物に挑戦するのだが、入植した年の冷害で壊滅的な被害に遭う。そうした中でかろうじて酪農に活路を見いだしかける。
 戦地に行った男たちの多くはシベリアに抑留され、強制労働で亡くなった人も多い。主人公の弟は関東軍憲兵として中国人の弾圧に荷担した罪でシベリアから撫順の戦犯管理所に送られる。そこでの自己批判の日々も比較的丁寧に描かれていて、プロデューサー・脚本家の見識が感じられた。その戦犯管理所の日本語通訳として四郎の親友の春岐が登場する。

 一方、妹の富子(?)は看護婦をしていたが、現地流用によって八路軍に止められ、国共内戦に従軍する。そこで知り合った中国人兵士と相思相愛の仲となるが、軍律に違反すると言うことで引き裂かれ、男は朝鮮戦争義勇軍として出征する。
 
 このように幾つかの挿話を交えながら、最終的には70年代の残留孤児の肉親捜しの場面まで話が進行した。
 日中間であった様々なことが、このドキュメンタリードラマの中には込められていた。
 かつて、周恩来をはじめとする様々な指導者が「中国人民だけではなく、日本人民も日本軍国主義の犠牲者だ」と言ってくれていたことが、実感を持って受け入れられるような映像であった。だが、その言葉で、日本人の加害者性を忘れ去ってはいけないことは言うまでもないのだが。