病院2−瀋陽日記

 私の怪我で一度に座が白けてしまって、同僚の皆には申し訳ないことをしたのだが、「大事を取って」近くの病院で手当てをしてもらうことになった。中国の先生の車に乗って、すぐに「中国医科大学盛京病院」に向かった。病院には車が立錐の余地もないほど並んでいた。病院内も夥しい人の群れである。夜の9時ごろ、救急の患者を診るのにこれだけの人間がいるのだ。驚くのはそれだけではなかった。1階の広いフロアーの中央に初診コーナーがあって、そこで医師が1目見て、何やら指示を出す、すると付添いの先生が、行きましょうと言って会計事務の所に連れて行ってくれた。そこには人の列が続いていたが、辛抱強く順番を待って、まず支払いを終える。すると、初めて「処置コーナー」(室ではなく、広いフロアーの片隅)で処置を受けることになった。まず注射を打たれた。止血か痛み止めだろう、かなり痛い注射である。それで終わりかと思っていると、また付き添いの先生が、会計事務所に出かけて行った。先生が支払いを終わって、帰ってきたとき、今度は別の注射が手に握られていた。また注射である。お尻に打ったのだから化膿止めの抗生物質かなと思う。やっと終わったかと思うと、先生がまた事務所に。3回目で初めて皮膚の処置を受けた。支払いをしないで逃げるのを防ぐためかもしれないが、時間がかかること夥しい。しかも人が多いのだ。幸い病院内に付き添いの先生の知り合いが多かったので、私の場合は比較的短時間で済んだ。病院でもやはり顔とコネは大切なのだ。