長春4−瀋陽日記

 広大な敷地に、これほど多くの木立を残しているのだから、その一角で、猛獣の射殺が行われたとしても不思議ではないのだと思わせる情景だった。『ねじまき鳥クロニクル』を書くに当たって、村上春樹は中国東北の旅を行っているが、この長春に足を運んだとき、動物園であの場面の着想を得たのではないかと根拠のないことを推察してみたりした。
 日本にいるときも、サファリーパーク形式の動物園には行ったことがなかったので、なんだか久しぶりに若やいだ気分で、散策を楽しんだ。