長春6−瀋陽日記

 時間はあるのだが、なかなか書く気にならなかったとでもいうべきか、前々回から数えてもう1週間になるので、急いで、長春の話も仕上げておこうと思う。
 ホテルから「偽満皇宮博物院」までは歩いて行ける距離だとみていたが、慣れない土地でもあるのでタクシーで行くことにした。駅前で捕まえたタクシーは、ボルこともなく、メーター通りの値段(20元)で偽満皇宮まで運んでくれた。
 清朝最後の皇帝溥儀が満州国の皇帝に即位した時、新宮殿完成までの仮御所として造られたが、宮殿が未完成のままだったため、溥儀は在位期間の大部分をここで過ごした。溥儀の暮らした勤民楼、その奥には懐遠楼がある。館内は当時のままの状態で保存されており、溥儀の満州国時代の生活が良く理解できる。と旅行ガイドには書いてある。
 中でも同徳殿のロビーは満州国ラストエンペラーに関わる映画・映像にはかならず登場する。このホールは「ダンスホール」として造られたものであるが、舞踏会が開かれることは一度もなかった。

 入場料は80元だったが、60歳以上は半額、70歳以上は無料というのに目を引かれて、パスポートを出したら、半額にしてくれた。お蔭で、音声ガイド(日本語)を借りることができた。
 入場してすぐ敷地全体の東側は競馬場になっていた。競馬場と言っても、馬術練習用の馬場のような広さであった。丁度、少女が馬術を習い終えたばかりで、馬に褒美のニンジンを与えているところだった。