気温ー瀋陽日記

 去年も今頃も気温のことを書いたような気がするが、瀋陽のこの数日の気温の変化は激しい。昨日の最低気温はマイナス4℃、最高気温が6℃だった。一日中曇り空で、日差しがない。しかもこの日は珍しく、午前6時半から午後5時頃まで、停電であったから、寒さも一入(ひとしお)であった。幸い、この日は授業が全くない日だったので、朝から懐中電灯を照らして、文庫本を読んでいた。読んだのは、池澤夏樹の『カデナ』。妻が日本から持ってきてくれたものの一つである。1968年の夏を中心にした、沖縄の嘉手納基地に働く女性とその周辺に生きるサイパン生き残りの中年の男性、今基地内で売り出し中のロックグループのドラマーの青年の3人がそれぞれに生きながら、互いに「ベトナム反戦」を共通項にして絡み合っていくという筋書きなのだが、68年という年号に特別な重みを持たせているところに共感させられる物が多かった。この話はここまでにして。
 その日を学生達はどのようにして過ごしたのだろうと気になっていて、今日、中国語の先生役をしてくれている学生に聞いてみると、全く授業にはならないので、ある時間はみんなで寝て、ある時間は学生同士の討論会、または体験交流会などをして過ごしたと言っていた。
体験交流とは、他でもない、勉強の仕方を得意科目を持つ学生のやり方などを元に、議論してより効率的な学習法を考えたのだそうだ。みな、やはりとてもまじめだ。怖い話なんぞしている暇がなかったようだ。
 さて今日の最低気温はマイナス1℃。朝のジョギングの時、昨日の雨の水たまりが凍っていた。最高気温が16℃程度だったと思う。明日以降はまた少し暖かくなり最高気温が20℃前後、最低気温が5℃〜9℃になるが、来週の月・火曜日頃にはまたマイナス3℃になるらしい。3寒4温の逆の、「4寒3温」という具合に、急速に冬に近づいて行っている。