北京3ー瀋陽日記

 瀋陽ー北京間は列車で約4時間強。近くも無し、遠くも無しといった距離に思えた。聞く人の持つ先入観によって捉え方がちがう。13時35分頃に列車は北京駅に着いた。地下鉄で行く覚悟をしていたのだが、Kさんの提案で、タクシーにした。さすが首都だけあって、相乗りを強制したりするような違法タクシーはいないようだ。客も大人しく順番を待って、やって来たタクシーに乗り込む。快適に、スムーズにホテルに到着と思いきや、タクシー運転手は躊躇った後に小路に突入した。あとで分かったのだが、目指す、菊児路の1本南の道を、運転手は西進したわけであった。行き当たりの小路には夥しい観光客が道を塞ぎ、タクシーが通れる隙間もない。萬事窮して、タクシーは逆進して、元のやや広い通りまで戻った。もう1本上ったところで、運転手は「お客さん、これ以上はいけねえ。」と宣告し、下ろされてしまった。やむを得ず、2つの荷物を引いて、そのホテルまで約5分ばかり歩いた。驚いた。ホテルと言うからには、大通りから入る車止めなどを予測していたら、そんなものは全くなかった。中国風のロビーにまさに中国風の部屋のモデルルームが展示してあった。
 やれやれ、ともあれホテルには着いたのだ。荷物の整理をして、やや遅い昼食と晩飯を兼ねた食事を取ろうと街に出てみた。街と言っても、このフートン(胡同)の近辺をうろついただけなのだが、先程、タクシーが行き止まりになった通りに出た。ガイド本を確かめるとそれば何と有名な「南鑼鼓巷」という小路であったのだ。元日の夕方だからか、若い二人連れなどの観光客でまだ一杯だった。その混み具合は、夜8時を過ぎてもまだ続いていた。初日の夕食は四川料理にした。ともかく寒さをしのいで体を温めるのには四川料理が一番だから。