北京4ー瀋陽日記

 この「南鑼鼓巷」はもともとごく普通の胡同だったが、センスのいいカフェや雑貨店が次々とできて、おしゃれな散策路に変身したとガイドブックには書いてあった。北京の故宮の西側には北海、中海、南海の池があるが、その北辺に什刹海がある。その什刹海の前海から500mほど東に入ったところにある胡同である。僕が入った宿からは歩いて50m西に行ったところが南鑼鼓巷であった。4時過ぎで辺りは暗くなりかけているのだが、まだまだ人通りは多い。雑貨店や食べ物店、四合院を改造したレストランやピンタンフーローを売っている屋台など、いろいろなものに人だかりはしている。気温も−3度ぐらいで、そんなに寒くはない。少し歩いて、鼓楼東大街まで北上したところに、四川料理の看板が見えたので、ともあれ、今晩はそこにしようと決めた。
 メニューを見てもよく分からないのだが、野菜サラダ、豚肉ピーナツ和え野菜炒め、中華丼風のイカ野菜炒め餡かけ、牛肉ハムを頼んだ。今回も中国風名前は一切書き残していない。これからの反省事項にしたい。僕はビールを頼んだが、kさんは傷に障るからか、ジュースにするという。昨日の大晦日の晩に呑んだのは、「特別の晩」だったからといっていた。


 彼女の娘は、本の装丁などを仕事にしているデザイナーだという。外を見て、この構図がおもしろいというので、赤提灯と四合院の屋根の勾配を対称に、写真を撮った。料理は思ったよりも辛くもなく、食も進んだのだが、僕自身の咳き込みが激しくなったこともあって、1時間ほどで引き揚げることにした。代金は、ポーターのご苦労賃だというkさんのことばに甘えて、今回はごちそうに預かった。