延着ー桂林日記

 ようやく飛行機に乗り込んで出発を待ったのだが、飛行機はいっこうに出発する気配が無い。それから、延々と4時間機内で待機したまま、帰ってこない息子の帰りを待ちわびるオーゼの祈りのように、飛行機が飛び立つときのあのガタピシした震えを待ち続けたのであった。
 11時になってようやくエンジン音が大きくなり、客室乗務員が席に着くことを促し、我が愛しの南方航空機が翼をふるわせて、大連を後にした。
 通常なら1時間のフライトなのだが、機長は慎重を極めたのか、空港に着いたのは12時を過ぎていた。この夜の寒空に空港の片隅からバスで移動は嫌だなと考えていたが、案の定、幾分長い待機時間の後、飛行機は空港ビルから離れた場所に止まった。
 結局、空港に迎えに来てくれていたハンさんに会えたのは、12時40分ぐらいだっただろうか。彼は昼の1時頃から2回、合計10時間近く僕たちを待ってくれていたことになる。タフなハンさんもさすが疲れたらしく、お礼やお詫びのことばを列べる僕に気にしない気にしないといいつつも、欠伸連発の運転だった。
 深夜1時半頃に宿舎に着いたのだが、急いで体を洗って、すぐにベットに入ったのは言うまでも無い。朝6時起床で、途中うつらうつらとしたものの、お腹に入れたのは、スープ2杯とお茶、白湯、水ばかりであったから、心身共に疲れ切っていた。ぐっすり寝たのは言うまでも無い。
 
 さて、肝心の桂林は「天下に甲たり」と称されるだけあって、その光景の美事さはたとえようも無い。次回からそのクルージングのことを書いてみたい。