陽朔4−桂林日記

 遇龍橋
 ”遇龍橋の下に水は緩やかに流れ、水草は糸のように細く、魚はその間を戯れ、底が見えるほど清らかで澄み切っている・・・”とパンフレットに書いてある遇龍橋は、きれいな半円を虹のように描いているとも書かれている。石造りの古橋は遇龍河に多く架かっているというのだが、この橋が最も有名なもののようだ、多くの新婚が記念写真を撮ったりするのに丁度良いところだそうだ。結婚後40年を過ぎた我々にももちろん。という具合で記念写真を撮ったのである。
 さて、二人乗りの筏は橋の下をゆっくりと下って、堰堤までたどり着いた。船頭が携帯やカメラに注意して足を上げるように言うので、足を持ち上げ具合にしていると、高低差60cmほどの堰堤を流れ下った。確かに水しぶきをいくらか被ったが言うほどのことは無かった。
下ったところにカメラマンが構えていて、1台ずつカメラに納めていた。その写真を売りつけようという魂胆なのだ。昔、ベネチアに行ったときも、橋の上から写真を撮っていたカメラマンにゴンドラに乗っている記念写真を買わされたことがあったが、それの中国版と言ったところだ。自分の写真を見るのが好きじゃ無いので断ったら、船頭が少し声を荒げて「買ってやれよ」といっているようだったが、この時は中国語が分からないようにして無視することにした。
 船頭が怒っていた理由が分かった。筏はさっき下った堰堤を上らなければ、乗った船着き場に戻れなかったのだ。船頭が二人一組になって、お互いの筏を引き揚げていた。そんな肉体労働が待っているから、何枚か買わせないと割に合わなかったのだろう。
 帰り道に気付いたが、水辺の筏の上で食事をしているグループもいた。一種の水上レストランである。そういえば、少し日も陰ってきて、我々のお腹も空いてきた。