春雪ー瀋陽日記

 昨日、弁論大会の打ち合わせをしていた午後4時頃から、雪が降り出していた。雪が降り続く中を、188番のバスで宿舎に戻ったのだが、その日が先週の土曜日に門番の小父さん(張さん)達と約束していた飲み会だったので、きっとみんないるだろうと思って門番の部屋を覗いた。ところが、今日は張さんではなくて、「周さん」の当番だった。「周」というのは、顔立ちが「周恩来総理」に似ているので、日本人教師仲間内の綽名である。
 先週は弁論大会での使用物品の確認に教師会の他のメンバーと出かけたのだが、学校に帰り着いた途端、門衛の張さんに捕まった。中に入って一杯飲めというのだ。中に入ると、校務員の関さんや運転手の曹さんがもうできあがっていた。暫くすると、外出しようとしていた食堂の調理師の管君や康君も加わって盛り上がったところに、若い女日本語教師が通りかかって、仲間に引き込まれてしまった。言ってみれば、即席の日中交流となったのだが、その席で、話しの流れから管君が女性のN先生に日本語を教えて貰うことになって、来週もまた一緒に飲もうということになっていた。その来週がきっと今日だったと思い込んでいたのだ。
 雪の降る中を、髪やリュックサックを濡らして、たどり着いたところ誰もいなかったのだ。ここまで書いていて、ふと思い至ったのだが、先週、彼らが言っていたのは、今晩(日曜日)だったかも知れない。だが、もう時間は午後9時前だ。いくらなんでももう宴会はやってはいまい。もし今日(日曜)だったら、明日謝っておこう。
 今日は特に予定も無いので、昼からカメラ用の三脚を買いに中街の「大家庭」というデパートに出かけた。無いかも知れないと思っていたのだが、あるにはあった。しかし、かなり高値の物が多かったが、他に当たるのは時間も気力も必要なので、その店で妥協した。
 さて品物だが、安いのは200元ぐらいから、高いのは2000元ぐらいまで、15種類ほどあったのだが、色々比べてみた結果、660元のものに落ち着いた。帰って説明書を読んでみると、ドイツ・トリオポ社の香港法人の製品だった。
 弁論大会で写真の係になったのだが、望遠を使うと必ず手ぶれを起こすので、三脚を買おうと決めていたのだ。
 雪が残っている中街だったが、日曜日の午後は大層な人出であった。