導游ー集安日記

 導游〔导游〕;daoyou ①(遊覧者を)案内する。〔导游人员〕ガイド。②観光案内 と辞書には載っている。
 集安に向かう各駅停車の中で、携帯が鳴った。日本語ガイドからの連絡だった。当初予定していた金さんではなく、娜娜さんからだった。集安の駅の出たところで待っているからという内容だった。3時間余りの長い乗車を終えて、集安駅の出口を出たとき。日本語で「ようこそ集安へ」と書いた紙を掲げて立っている女性が目に止まった。まだ若く少し恥ずかしそうにしているところが可愛い感じの女性であった。迎えの運転手とともに、駅からガイド斡旋を頼んだ集安国際旅行社に向かった。
 この旅行社に電話したときは、日本語が分かる人がいなくて、応対に出た社員と四苦八苦しながら中国語で話して、やっと日本語ガイドを用意して欲しいと連絡できたのだった。旅行社に着くとその応対者が待っていて、旅行の日程の打ち合わせに入った。もちろんガイドの娜娜さんが側にいるから、今回は話しが簡単だ。将軍墳、好太王碑、五号壁画墳、丸都城跡の順に巡ることにし、間に時間があれば、鴨緑江をボートで中程まで出て、北朝鮮国境線までいってみようという計画になった。
 ところで、この集安国際旅行社というのはどんな会社なのか、パンフレットを元に紹介してみたい。
 集安国際旅行社は1989年に設立された有限責任会社で、国家旅游局が朝鮮訪問旅行を特別に許可した経営単位である。また、全国で一社だけ単独で朝鮮観光旅行取り扱う経営権持ち、唯一の国境を越える旅行を取り扱う国際旅行専門会社である。
 当社は国内旅行、国外から入国する旅行、国外に出国する旅行、中朝の辺境旅行を業務としており、経験豊富で業務に習熟し生気に溢れる優秀な人材を雇用しており、集安で最大、実力最強の信用の極めて厚い国際旅行社である。(以下略)