外歌ー瀋陽日記

 外歌=外国の歌  というのは僕の造語だが、毎年恒例の「外国語歌合戦」が今年も行われた。学校主催ではなく、学生会(生徒会)の中の社団(クラブ連合)の主催だという。僕にしたら3回目なので、初年度のような驚きはなくなった。相変わらず達者な生徒たちの歌声や演出ぶりには感心させられた。
 司会団は四人だが、そのうち二人は日本語で、後の二人は英語で司会をする。日本語の司会は男女二人とも日本に留学して高校生活を送った者である。英語の司会の一人は高校一年の女子で、今も日本語の授業で教えている。
 オープニングや登場者の紹介にビデオ映像を使うのは、今東大で学んでいるXu君が始めたことだと聞いているが、なかなかの影象処理だ。
 全12組の出場者のうち、日本語の歌は3組だった。当然、その評価は高くなるのだが、衆寡敵せずなのか、トップを取ったのは「江南スタイル」を歌った生徒だった。ともかく、バックダンスからしてなかなか堂に入っていたから、今回はやられたかなと思っていたところ、案の定、彼がトップになった。この「江南スタイル」は昨年の暮れの忘年会で、再三見ていただけに、歌と演出のできで見る限りは、今の3年生の「江南スタイル」のほうが衝撃的であった。しかし、多くの観衆はそんなことも知らないし、肝心の3年生は今日も教室で自習中である。
 だから単純な比較はできない。
 僕は、審査員兼カメラマンに徹していた。
 日本人教師の6人全員が審査員になっていたが、同じ外教の英語の教師も審査員になっていた。他に5,6人の中国人教師が審査員を務めていたので、我々の好みがすべて審査に反映されるわけではない。やはり、衆目の見る順当なところに落ち着いたのかも知れない。