周年ー瀋陽日記

 今日は9月18日、言うまでもなく満州事変(「柳条湖事件」)の起こった日である。
 昨年のこの日には、尖閣緒島の国有化に反発する全国的な抗議行動が行われ、瀋陽でも日本領事館がデモ隊の投石によって窓ガラスが割られるような被害があった。
 今年はどうなのだろうと多くの日本人が注目しているところだと思うが、今年は今のところ昨年のような反日デモのようなものは計画されていないようだ。
 領事館の情報によれば、瀋陽の「9/18記念館」の前で行われる集会も一昨年と同じような規模のものが予定されており、この日中国全土で行われる記念行事も比較的おだやかなようである。東北地方に限って言うと、(領事館情報)

1.報道によると、当館管轄地域内では、柳条湖事件が発生した9月18日に以下のような活動が行われる予定です。

吉林省長春
 ①午前9時18分から9時41分まで、長春市内各地で防空警報が鳴らされる。
 ②「偽満皇宮博物院」において式典が行われる。
吉林省延吉市
 ①午前9時18分より9分間、延吉市内で防空警報訓練が行われる。
 ②午前8時30分から11時まで、延吉時代広場において柳条湖事件82周年等を記念した宣伝活動が行われる。
黒龍江省ハルビン
 ①午前9時から9時10分まで、ハルビン市内各地で防空警報訓練が行われる。
遼寧省で行われる活動については 《領事館からの情報》をご参照下さい。

2.現在までのところ、当館管轄地域において邦人社会全般に対する抗議活動やデモ行進が行われる等の具体的情報はありませんが、在留邦人の皆様には念のため以下の諸点にご留意の上、ご自身の安全確保に十分ご注意ください。
○外出する際には周囲の状況に注意を払い、広場など大勢の人が集まっているような場所には近づかない。
○現地の人と接する際には言動に注意する。
○日本人同士で集団となり日本語で騒ぐ等、過度に目立つ行為は慎む。
○外務省の危険情報・関連情報等をこまめにチェックする。

 そして、確かに、午前9時18分から鳴り始めたサイレンは余韻を10秒ほど残して9時21分10秒に鳴り止んだ。
 恐らく道路のあちこちでは、一斉に警笛(クラクション)が3分間ならされていたのだろう。学校はメインの道路から離れているので、警笛は全く聞こえなかった。このまま無事に一日が終わることを期待している。
 心配される方もあるかも知れないので、敢えて今日のことを書いた。ご心配なさらないように。

(以下に時事通信のコピーを)

 混乱防止へ反日デモ抑止=柳条湖事件82年で式典−中国

 【北京時事】中国は18日、満州事変の発端となった1931年の柳条湖事件から82年を迎えた。昨年は沖縄県尖閣諸島の国有化をきっかけとした反日デモが125都市以上に広がった。事件が起きた遼寧省瀋陽市の「九・一八歴史博物館」では記念式典が実施された。
 この日は「国恥の日」とも言われ、各地で記念行事が行われ、国民の愛国精神、民族意識を高める機会となっている。
 今年は大規模なデモの発生は確認されておらず、中国政府は社会の不安定化につながる活動は抑止する方針だ。
 北京の日本大使館や上海の総領事館では多くの警察車両が出動し警戒に当たったが、混乱は起きていない。同博物館の式典には遼寧省の代表や市民らが参加。午前9時18分に「警世の鐘」が鳴らされ、市内にはサイレンの音が響いた。(2013/09/18-13:03)