結婚ー瀋陽日記

 『日本事情』の授業で「結婚」を取り上げて、見合い結婚か恋愛結婚かという調査を行ってみた。分母は70名ほどの現高校3年生である。
 まず、両親の結婚について、
 恋愛:28% 見合い:28% 知らない:44% と出た。知らないの回答者に男子生徒が多かったのは、この問題に対する関心度が男性の方が低いからだろうか。恋愛と見合いの比率が全く同数であるのに驚いた。僅か2年前の調査でも、見合いが恋愛の1.5倍ほどであったのと比べると、両親の世代の意識変化が垣間見られる。学生達が生まれたのは1995年〜96年であることから、両親の結婚は1990年代の前半であるとみられる。
 その頃の日本では見合い:15.2% 恋愛:82.8% その他:2.2%となっており、僅か5年前には、見合い20.3% 恋愛:77.4% その他2.3% であるから、日本でもその変化が激しかった頃である。90年代の後半になると、見合いの比率は9.6%と遂に10%を割り込み、自助努力としての「婚活」が、出逢いを求める男女の重要課題になってきたようだ。
 中国の90年代の情況はこの問題に関してのみ言えば、日本の60年代後半から70年代初め頃の様相である。どちらも正に高度経済成長期に突入しようとする時期である。
 さて、学生の「希望」は次のようになった。
 恋愛:68% 見合い:5% 分からない:27% 「分からない」のうちには「考えられない、考えたこともない、その時ならないと分からない、結婚しない」などを含めた。
 この生徒たちが適齢期を迎える12年後に調査してみたら(生きていれば!?)、きっと日本の2005年ぐらいの統計と似た数字になっていると予想する。
 少子化や高齢化だけでなく、この面でも、中国は日本の動向を少し速いスピードで追いかけているように見える。次回は、家事分担について書こう。