瀋陽日記ー住宅3

 住宅のことで少し書き残していたことがある。それは、僕の住んでいる学校の近くの住宅についてである。
 学校の周辺は、僕がはじめてきた3年前は周り一帯がほとんど工場であった。僅かに、バス停の近くに亜泰花園という集合住宅街ができあがっていて、そこから通っている学生もいると聞いていた。10階建てぐらいのマンションと別墅(ビエシュ)と呼ばれる3階建ての高級テラスハウスが混在する一角であった。しかし、もう一つの姉妹校の側には、すでに33階建ての高層マンションが建ち並び、そのすぐ側にも、同規模のマンションの建築が進んでいた。
 4年目になった現在では、先程の亜泰花園の前に伯爵源築という仰々しい名前の付いた高層マンションがすでに工事を終わって入居を待つ寸前になっているし、学校のすぐ側の工場の跡地には同じような高層マンションが今まさに建築中である。毎日のジョギングはその建築現場の下を走っているのだが、日一日とビルが高くなっていくのが分かる。
 さて、それよりも急激に変わったのは、地下鉄の世紀大厦駅近辺である。駅前の工場はいつの間にか取り壊され、2年前ぐらいから高層マンションの建築が始まった。その第1棟ができあがったのが、昨年の10月ぐらいだった。引き続き、2,3,4東と建築中である。そのすぐ北側にも別の建築業者による工事が続けられており、それも競うように高層マンションを建てている。北部の開発区で為されているのと同じような現象である。ところで、この北側の建築物の共同開発業者に京阪電車の名前を見つけてびっくりしたこともある。
 肝心の値段なのだが、地下鉄駅前のマンションの1㎡単価は9000元から1万元だそうである。つまり、45㎡の1LDKタイプでも、45万元。日本円で考えると45×17×5=3825万円と言うことになる。
 さすが金持ちのホウさんも手が出せなかったと言っていたがうなずけないことはない。
 3年前の実勢価格で、地下鉄営盤街駅から1kmの住宅群でも8000元したといっていたから、時価としても法外な値段ではないと思う。そこで、そんな高い物件を誰が買うのかと心配になるがそれはまた次回に。