瀋陽日記ー長白山4

 たどり着いたところに、大きな山小屋風の「長白山旅游センター」があった。
 先客が歩いて行く後を付いていくと、何のことはない。そこはトイレだった。トイレを出たところに大きなホールがあって待合室になっている。先に来た客たちも所在なげに、山頂に向かうバスの切符の販売を待っている。

 ベンチの一つに腰掛けていると前に座った若者のグループに気づいた。
 話しかけてみると、哈爾浜から来たと言う。女性が3人に男性が1人という組み合わせであった。
 哈爾浜林業大学の学生で、この連休を利用して、長白山に来たのだという。男性は隅にいた女性とカップルらしく、にこにこしているだけで話しには加わってこない。林業大学というのなら、実習と関係があるのかなと疑問に思って聞いてみたが、まるっきり観光だという返答だった。

 それにしても若者が多い。僕の若い頃も、夏休みなどでは旅行したが、連休中に旅行できるようになったのは、高度経済成長の頃からだ。それだけ若者が豊かになったと言うことなのだろう。
 9時から山頂に向かうバスの切符を販売するというので、人々が売り場の前に集まりだした。5列ほどある列の最後尾に行ったが、切符を売り出す気配がない。そのうちに、列が崩れ、中程の人や、最前列の人などが立ち去っていく。まだ事情が飲み込めなかったのだが、前から5人目ぐらいまで近付いた頃に、やっと事情が飲み込めた。降雪のため、路面の整備をしていてバスの運行の見通しが立たないようだ。
 5月にもなると車は冬用のタイヤではない(真冬でも果たして冬用タイヤだったかは分からないが)。
 切符売場も、切符の改札口も開いてはいない。
 暫く待つ時間に周囲を写真に撮ってみた。