瀋陽日記ー長白山5

 古い記事を書いているうちに、5月も中旬を過ぎてしまった。この間に弁論大会、学校の日本文化祭などの行事が立て続けにあって、今月25日の2014年度瀋陽日本語文化祭で一応今期のおもな行事が終わる。それらのことについても色々な出来事があるのだが、このブログの時間は5月1日前後で止まったままだ。

 長白山5

 10時前になって、やっと切符の発売所が開いた。それでも、購入して山頂に向かおうとする人がそんなに多くない。アナウンスや人の話しによると、山頂の天池には行けないのだが、途中の小天池には行くとのことだ。では残る人たちは、山頂に登れるようになるまで待とうと言うつもりなのかといぶかしかったが、僕は帰りの列車もあるので、先ずは小天池まで行ってみようとチケットを購入した。
 バスは小型のマイクロバスだったが、満席になると同時に出発した。しかし、走り出して10分もしないうちに止まってしまった。乗客は誰も文句を言わない。ただひたすらじっと待っているだけだ。暫くすると事情が飲み込めた。ここでも雪の影響で、急斜面を登り切らないために、除雪を進めているらしかった。
 待つこと30分、僕も待ちくたびれてうつらうつらし出した頃にバスは動き始めた。動き出したら20分ほどで、長白温泉群に着いた。先に来たバスや観光客が群れをなしていた。雪に被われた道を歩いて上ると温泉が見えてきた。温泉と言っても、立山の地獄谷温泉のように、温泉が湧き出るところが囲ってあって、その周りの散策路を一回りするだけである。後で地図で調べると、山頂の天池駅までの行程の中程にある温泉であった。もちろんここから先は行けない。数人の観光客が越えていった橋は、長白瀑布につながる橋だったが、すぐに閉鎖されてしまった。 狭い学校の校庭ぐらいのエリアに、多数の観光客が押し寄せてきた風だった。
 山小屋風の休憩所があって、そこで温泉卵を売っていた。喜んで買って、皮を剥いてみ


たところ、白身が固まって黄身は半熟だった。温泉卵は50℃ぐらいのところに長時間おいて、黄身が固まって、白身が半熟の状態だと思っていたのでガッカリだった。恐らく、60℃を越える原泉の中に短時間付けて売っているような感じであった。似て非なるものはこの地でも多いのだが、ここでも一つ出会ってしまった。