蛙ー瀋陽日記

清明節の中日に学生からの誘いがあって食事に出かけた。 行ったのは口福軒という学生の親がやっている店だ。この店には昨年もお世話になっているのだが、瀋陽では知る人ぞ知るという、かなり有名な店だ。 少し早い昼飯を学校で摂っていると、先日到着したフ…

運転ー瀋陽日記

ブログを少し休んでいる間に、清明節に入ってしまった。というのも、3月はとても忙しかった。 教師の会の世話役に加えて、学校が新しい試みとして、市内に培訓学校を立ち上げたので、まだ赴任していない日本語教師の代役を務めなければならなかった。それに…

医院2ー瀋陽日記

さて、前日の続き。 湿瘍・疱疹 198元 一回で根治、二度と再発せず 痔瘡 60元から 無痛根治、治療後すぐ歩ける 腋臭 50元から 無痛無傷・一回で治癒 婦人科項目 価格 技術特点 無痛人流(全過程定価) 360元 完全無痛・再妊娠に無影響 子宮頸部糜爛 380元 1…

医院ー瀋陽日記

愛用しているリュックサックを整理していたら、道端で貰ったティッシュペーパーが出てきた。中国でティッシュを貰うことなどめったにないので、大事に仕舞っておいたものらしい。確か昨年9月頃、医科大の口腔外科に歯の治療に通っていた時、入り口近くの歩…

カラオケー瀋陽日記

カラオケ:KTV、卡拉OK 瀋陽にもカラオケは多い。近頃は若者や老人を問わず、カラオケで仲間同士歌いまくるのがはやりである。学生と一緒に行くことも多いし、日本語教師の中国人教師から誘われることもある。 今回は中国人教師の教科会に日本人教師も…

麗江3ー雲南日記

さて、玉龍雪山から下りて、僕たちはそのまま麗江の宿舎に戻った。夕方少し市内を散策し、夕食は朝と同じ場所で摂った。 夕方になっても観光客の群れは少なくなっていなかった。東大街には散策する人々がいたり、東大街から一筋西に入った小川の川縁の道にも…

玉龍雪山6ー雲南日記

妻は幾分疲れた様子で桟道の階段に腰掛けて僕の帰りを待ちかねていた。確かに、ちょっと行けるだけ行ってくると言い置いたのだから、30分は十分に長い時間だったかも知れない。「遅かったね」という言葉に、ひたすら謝るしかなかった。 さて、下山だ。桟道を…

玉龍雪山5ー雲南日記

4680mの展望台まで来るのに、20分ほど費やしただろうか。 展望台は意外に広く、祠のような小さな建物が建っていた。日本なら山岳信仰の神社の祠があるのだが、こちらは土産物屋であった。登高記念のメダルやペナントのような物が売ってある。金メダルが20元…

玉龍雪山4ー雲南日記

ロープウェイ山頂駅の出口には広いウッドデッキの展望台があって眺望が楽しめるようになっていた。そのウッドデッキの人の少ないところに座って、少し遅い昼食を食べ始めた。が、下から冷たい風が吹き上げてきたので、端から内側に場所を変えた。今度は大丈…

玉龍雪山3ー雲南日記

索道駅(ロープウェイの麓駅)には長蛇の列と書きたいところだが、ここは中国、雲霞のように人々が押し寄せてきた。索道駅から甘海子の駐車場に帰る人々の群れだ。時刻はまだ11時過ぎなのにもう山頂から下って来た人がこれほどいるのには驚いた。恐らく甘海…

玉龍雪山2ー雲南日記

玉龍雪山に登るには、まず「玉龍雪山国家級風景名勝区遊覧券」(105元)を購入しなければならない。運転手にお金を渡そうとしたら自分で買えという。事前に知ってはいたが、ここに入るには、さらに麗江古城維持費(80元)を払っていなければならなかった。生…

玉龍雪山ー雲南日記

玉龍雪山 今回の旅の主目的の一つがこの玉龍雪山に登ることであった。事前の知識では、標高が5590m、ロープウエイに乗って山頂駅まで行けば、4500mぐらいの高さまで上れると言うことだった。だから、当初から、山頂でも寒くないような服装を準備しておかな…

麗江3ー雲南日記

朝の散歩 2月25日、前夜の2時頃に寝たのに、6時過ぎにはもう目が覚めてしまった。 妻は寝付かれなかったとかでまだベッドの中にいるという。僕はいつものジョギングに替えて、麗江の街を散歩しようと考えて着替えて外に出た。驚いたことに外は真っ暗だった…

麗江2ー雲南日記

麗江の飛行場についたのは、実に23時5分だった。前回のミスで懲りた僕は手荷物を機内持ち込みにしていたので、手荷物を持ってタクシー乗り場に急いだ。深夜にもかかわらず、タクシーが列を作っていた。乗り場に急ごうとしていた僕たちに女性が声を掛けた。乗…

麗江ー雲南の旅

2月24日の10:15発、昆明行きの南方航空に乗った。チケットは1ヶ月以上前にこちらの旅行社を通して手に入れたものだった。空港まではいつも通りに学校の運転手が送ってくれた。重慶までは順調なフライトだったのだが、濃霧と雨のため重慶の上空で30分ばかり…

検査2ー日本日記

今日は朝5時に起きて、大腸ファイバー検査の準備をした。 2リットルほどの下剤の溶液を作り、錠剤も一緒に飲むなどして腸を空にするのだが、初めに600CCの溶液を45分掛けて飲んで、時間をおかずに400CCを30分で飲む。この約1時間半ほどの間に、…

検査ー日本日記

日本に戻れば毎回のように病院に検査に行くことにしているのだが、今回は異例なことが幾つかある。その一つが、大腸ファイバーによる大腸の検査だ。中国から日本に帰ると毎回のように下痢をする。今年も同じような状態が続いていたので、「水が変わったせい…

京都にてー日本日記

2月6日は僕の誕生日だった。昨年から京都で学生と食事会を持っているのだが、今年は、JR京都駅の前のビルの地下にある日本料理の店で会食した。 昨年はフランス料理にしたのだが、学生が会場に着いたのが閉店30分前という苦い思いをしたので、今回は少し…

日本日記

今朝は日本に戻ってから二回目の雪だった。雪の中を、毎朝のジョギングに出た。団地の家の周りを走るのだが、これまでは歩数のみを計算して、大体の距離を推測していた。その数え方は、左右一回の歩幅を1と数える方法だ。日本語や中国語の数字を数えて走る…

祖母ー冲冲の日記

12月17日 先日、祖母と叔母が喧嘩をした。私から見ると詰まらないことだが、叔母が祖母に怒られた。 最近、外祖母(母方の祖母)の調子が悪くて入院しているので、母は外祖母の看護をしている。だから、週末に家に帰ると叔母の家に昼飯を食べに行く。父は車…

父母ー唐唐の日記2

隣の人が見たり聞いたりしても恥ずかしくない。深夜でも寝ないで大きな声で喧嘩する。おかげで、子どもの私でさえ、うるさい環境でもぐっすり眠ることができる。「止めなさい!止めなさい!!止めてください!!!!」なんて言っても効果はない。ずっとペラペラ悪…

父母ー唐唐の日記

「母は世界で一番いい人、母がいない子どもは、草のようにかわいそう」大嫌いな童歌だ。 12月13日 今日成績について母に電話した。やっぱり叱られた。母は泣きながら、自分の苦しさや私に対する期待など、いろいろなことをしつこく言った。 「うるさい。百回…

藍維の日記

昨日から、インターネットがダウンしてしまった。メールのチェックも何もできなくなってしまった。仕方がないので、この欄を続けようと思う。今日は、作家と医者を目指している女生徒の文章。当然仮名にしている。 ◇ ◇ 2013年12月16日 私は、この手で自分の…

恤民3ー瀋陽(小説)

その日も暑かった。瀋陽でも真夏の盛りは30度を越える日も多いが、鋳物工場の中は40度を越える日が多い。炉で溶かした鉄を鋳型に入れるのだから、鋳物工場は毎日が熱との闘いだった。 吉林省でも内モンゴルとの省境に近い寒村から、呂溢心は出稼ぎに来ていた…

大連ー瀋陽日記

大連へはこれで三回目である。飛行機の一時待避で行ったのを含めると、四回目にはなるが、今回は忙しい日帰りだった。日帰りにもかかわらず、これまでとは違った、大連の顔を味わうことができたように思う。 仕事は教師の会の大連での動き方、組織形態、中国…

恤民2ー瀋陽(小説)

彼は博物館の両手をもぎ取られた座像のように、身じろぎ一つしないでただ真っ正面を見据えていた。タイル石の歩道に段ボールのような敷物を敷いて、座禅のように組んだ脚には毛布が掛けられている。しかし、腰から上は、一枚の灰色の半袖シャツを着ているだ…

恤民ー瀋陽(小説)

後漢の光武帝の心意の奥底には「民を恤する心」があったと宮城谷昌光の小説『草原の風』の中に記されていた。王莽の圧政から赤眉の乱を経て、まことに「平凡」に見えていた者が、王朝の主催者の席に駆け上っていく微細を、この作家特有の平易だが、衒学的な…

窓2ー瀋陽(小説)

どうして私にばかり、こんなことが続くのだろう。 今朝方、出勤してすぐに副園長の劉玉英から叱責を受けた。5歳児の宝児の林檎アレルギーの件で抗議の電話があったと言うのだ。確かに園内で出された昼食の中にデザートの林檎が混じっていたが、宝児に林檎ア…

窓ー瀋陽(小説)

窓に映った男の黄緑の帽子が気になって仕方がない。きっとこの男は外国人なんだ。中国人が緑の帽子を被ったら物笑いの種になるのに、この男はそんなことにも気付いていないのだから。徐彩燕は地下鉄の2号線の車両の自分の左側で吊革を掴んで窓を見ている男…

聖誕2ー瀋陽日記

その人は僕の右隣に座っていた。関西地方のある県の役所に勤めていて退職して4年目だと言っていた。僕よりいくらか若いが、一見して公務員だったのではなかろうかと感じさせる雰囲気があった。というのも、名刺がないのでと渡された紙片には楷書できちっと…